＜2001.7.15＞

　今日も自重しなければならない日。そうなのです、アルザスでもう一つの三つ星レストランに、予約が入っているのです！　本当は、クロコディルに行くつもりだったのだけれど、ここは今、1ヶ月の夏休みだということで、予約ができなかった。すごいねぇ……、1ヶ月の夏休みか。代わりに、ビュルイゼルに予約が取れたのだった。
　ストラスブール旧市内は、歩いてみると小さな街だ。車だと、ほんとうに大変だったけれど。徒歩で充分回れる街である。
　有名なストラスブールの大聖堂を見物する。日曜日の朝のミサが始まる。メガネちゃんは、物見高くもミサに参加するという。わたしは……、まあ、ミサはいいです。学生時代から、ずいぶん参加しているから。というわけで、聖堂の周囲を散策、またも土産物屋さんを覗く。絵葉書を買い求める。大聖堂の写真は、大きすぎてとうていカメラに納まりきれなかったから。パノラマにしても、無理だった。
　オニオン・タルトとワインで軽く昼食を済ませ、ロアン宮殿の中にあるアルザス装飾美術館を覗く。陶芸品の展示が多く、メガネちゃんが喜ぶ。内装も凝っていて、建物が立派でした。そのあと、アルザス民族博物館へ。小さな可愛い建物だったけれど、3階建てで、回廊がぐるぐるぐる……。民族衣装や陶器を見る。赤、青、白などのアルザスカラーに、刺繍やレースが可愛い民族衣装だ。陶器も、グリーンやブルー、黄色と、素朴だけれどカラフルで可愛い色合いだ。
　さて、夜はもう一つの三つ星レストラン、ビュルイゼルに！　ホテルからタクシーだが、もちろん、名前を言っただけで連れて行ってくれた。旧市内を離れ、郊外の公園の中になる素敵なレストランだった。サービスはいいし、雰囲気はいいし、何より、やはりすごぅううく、美味しい！！！
　量は、オーベルジュ・ド・リルより、かなり少ない。価格は、やや高い。都会だから仕方がないだろう。二人で、フォアグラ、鳩のパテ、鴨、オマールえびを食する。いや、ほんと、どれも美味しい！！　感動の一品ばかりでした。ワインはソムリエの薦めで、ハーフの白、リースリング98と、赤のハーフのボルドー、シャトー・ラ・ツール・デュ・パン・フィジャック（長い名前だぞ！　年号失念）を取る。どちらもフレッシュで若々しいワインだったけれど、食事にはよく調和した。ほんとうに、ワインは安い！　生産国だから、当然か。チーズのプレートを頼み、アルザス名産のマンステールを取ると、サービス係に喜ばれる。デザートは断り（食べたかったけれど、もう、入らない状態だった）、コーヒーを頼む。コーヒーには、プティ・フルールとチョコレートが山ほどついてきた。どれも美味しかった。コーヒー、3杯もお代わりしてしまった。ワインでいい気持ちになって、幸せな夜を過ごす。

＜2001.07.16＞

　明日はもう、アルザスを出発しなければならない。あっという間に過ぎてしまった気がする。
　今日はお土産品を買う日になってしまった。同行のメガネちゃんは、ブランド大好き人間だったのだ！
　というわけで、ストラスブールにあるルイ・ヴィトンのお店、エルメスのお店、ロンシャンのお店、そしてデパートのギャラリー・ラファイエット、プランタンと連れ回される。実は、ヴィトンのお店は、3回も行かされたのである。しかも、在庫がないという店員さんを押し切って、見本まで買ってしまうほどの人なのだった！　ううう……、交渉させられたのはわたしだ。シャネルもあったけれど、ここはまだ開いていなかった。アガタで安いアクセサリーを購入する。
　ヴィトンでバッグを2つ、ロンシャンで1つ、ランセルで1つ、アガタで時計を3つ買って、メガネちゃんはウキウキ状態である。はああ……。付いていくだけではばかばかしいので、わたしも無名メーカーの安いバッグを1つと、かなり気に入っていたブランド、ラ.・バガジェリーのバーゲン品のバッグを、デパートで買う。
　どれも安いものだ、彼女に比べると。まあ、価値観の差ですな。その代わり、わたしはやたら、ワインや缶詰を買い込んでいるものな。スーツケースが重いのは、わたしのほうだろう。
　土産物屋さんで交渉して、わたしはワインを入れる箱だけ（！）を買いました。これは、アルザスの木組みのお家型をした可愛いワイン・ケースだ。だが、別に可愛いから買ったわけではなく、とにかく、ワインを運ぶ箱が欲しかったためだった。大事なワインを割らないようにしなければならないのだ。
　大聖堂にあるからくり時計を見学する。午後12時半になると、からくりが動き、ニワトリが甲高い声で鳴くのです。古い時計だから、人形が動くからくりは大したことはないけれど、ニワトリの声はとてもおもしろかった。12時から並んで待って見たけれど、たくさんの観光客と、長い待ち時間でちょっと疲れる。
　お昼は、チーズ・オムレツとサラダ・ストラスブール、これもチーズがいっぱいにかかっていたサラダだった。そして、もちろん、アルザスの白ワイン。夜は、ポトフとパスタと、そして、アルザスの白ワイン。いや〜、ポトフは美味しかったけれど、やっぱり量が多かった。太る旅になってしまった。