Jan Ullrich2005.04

ヤン・ウルリッヒ特集です

Le TOUR de France 2005 : Sieger der Herzen

2005年7月

【2005.07.25　本日のウルリッヒ】
　最終ステージ、シャンゼリゼ・ゴールを飾ったのはT-モバイルのヴィノクロフ、もちろんウルリッヒも日記で喜んでいます。「信じられないよ！　彼の実力とガッツの証明だよ。スプリンター・チームを引き離したんだからね。最終日のパリは何度も経験したけど、観客の興奮でいつも身震いがするよ。僕の3位もそうだけど、チームのみんなと表彰台に上がれたのがすごく嬉しい。パレードのセレモニーの後は、チーム・メイトや家族たちで乾杯だ。月曜日はドイツに帰ってセレモニーで、その後グラーツ、プラハ、マイルフォッヘン、ハノーバーのクリテリウムに出るよ。日曜日までコンディションを維持して、HEWクラシックに出る予定だよ。その後のレース・スケジュールは決まってないけど、1月にはダカール・ラリーに招かれてるんだ（ヤンのレースじゃないだろ）。日記は、ドイツ・ツアーで披露できると思うよ。この3週間の声援にすごく感謝してる」とのこと。チームのインタビューでは「2つの事故があったのに、バッソやアームストロングの横に立てて、すごく満足してる。チームもよく頑張ったよ。ツールは辛いけど、美しいね。この雰囲気の中じゃ、来年のことは考えられないけど、もし出走するんだったら、もちろんマイヨ・ジョーヌを目指すよ」とのこと。
　シャンゼリゼで勝ったヴィノクロフは、「いまだに信じられないよ。勝てると思わなかった。少しでも総合順位を上げたかったんだ。これからもT-モバイルにもっと勝利をもたらせたい。チームのために全力を尽くすよ。だけど、ツールで勝ちたいんだ。それがチームを離れる唯一の理由さ」とのこと。
　ランス・アームストロングは「ヤンは何度かツールに勝つことができるだろう。彼は自分を信じなきゃいけないね。信念の問題だ。必要なものすべてを持っているんだから」と余計なお世話。
　ヤン、サンテティエンヌのITTでは、落車の危機もあったようです。どこかはわからないけれど……登りの箇所じゃ、すごい人でしたものね～。ランスも水をぶっかけられていたし。大事にいたらなくて良かった良かった。
　TVのインタビューでは「落車したのに3位になったのに満足してる。最初のITTじゃ、本来の僕じゃなかった。脳震盪を起こしてたんだしね。その後の落車では、肋骨を痛めて息をするのも苦しかった。ピレネーじゃハンガーノックを起こしてしまった（いったい、何をしているんだ！）。でも言い訳できることじゃないよね（当然だ！）。ただ、最後まで行けたのが嬉しいよ。ランス・アームストロングには脱帽だ。彼はいつも最高の状態でツールに来る（見習えよ！）。決して弱みを見せなかった。バッソも強かったし、ラスムッセンも予想外だった。ツールはやっぱり素晴らしいね。僕は勝つまで、また挑戦したいと思ってる。ヴィノは出ていちゃうけど、いい友だちだよ。キャプテンとしてやりたいという彼の気持ちは理解できる。オラフ・ルドヴィッヒが僕を批判したって噂があったけど、彼とは1時間以上話したけど、間違いだったさ（今度はちゃんとコミニュケーションをとれよ！）。今年は健康と幸運の大切さを認識した。落車の状態を考えると、すごく幸運だったと思ってる。ITTじゃバッソがすごく良くて、タイム差を逆転することは無理だと思ってた。僕はステージ優勝を狙ってたんだけど、残念だったよ」
　「ヤンはまだツール3回は勝てる」との心強い言葉は、元コーチのペーター・ベッカー。技術のことはわからないので適当ですが、こんなことを言ってるみたいです。「落車から立て直したヤンは見事だったと思うよ。3位はとびっきりの結果じゃないか。ヤンはやっぱりドイツ自転車界の第一人者だ。ヤンがツールで勝てないのは、アームストロングと彼のチーム力のせいだ。ヤンに同じチーム力が与えられて、体調が良かったら、どうなるのかはわからないよ。アームストロングとウルリッヒは、まったく別のタイプの人間だ。ヤンはいつも私にランスのように1年中集中することはできないと言っていた。そこに問題があるだろうが、世界クラスの選手であることには間違いない。今誰がヤンをコーチしているのか、それが疑問だね。カウンセラーとしては、トスカーナのルイジ・チェッチーニ医師がいて、そこでトレーニングしている。ペヴナージュは、スポーツ科学の知識がないから、ヤンのコーチとは言えないだろう。ヤンは彼自身の技術を変えないといけないだろうし、できると思う。もちろんアームストロングのようなやり方ではなくて、ヤンに合ったやり方だ。ヤンは速く回転させられるし、スプリントもできる。ヤン自身がそう思ってないだけだ。誰かが彼に学術的に説明しなければならない。彼は肉体的に強いから可能だよ。私は来年ヤンがツールに勝てるだろうと思うし、2度、3度と勝つことが可能だと思う。ただそのために、アームストロングのチームのように、彼のためのチーであり、プロとして完璧に機能していなければならない。そうなったら、ITTの後でTVに映ったように、ほとんど息ができないなんて状態になることもないだろう。オラフ・ルドヴィッヒがディスカバリーのチーム精神を、T-モバイルにも持ち込んでくれると期待したいね」

ヤンとザラさん

【2005.07.24　本日のウルリッヒ】
　「パリで表彰台に立てそうだよ」とはウルリッヒの日記。「僕たちは上手くいったけど、ラスムッセンは上手くいかなかったね。僕も今日は表彰台に立ちたかったけど、ランスは強かった。でも、ヴィノとグェーロが立ってくれた。マイヨ・ジョーヌの獲得を目指してただけに、残念ではある。でも、チームの戦いには満足してるよ。それに落車事故の後で表彰台に立てるようになったのは嬉しい。事故がなかったらランスに勝てたかどうかは疑わしいな。彼は強すぎたよ。彼は肉体的にも精神的にもすごいアスリートで、僕を含めて7年間誰も彼を倒せなかった。今後は何がしたいか考えるってランスは言ってた。そのうちに聞けると思うよ。明日の夕方は、彼の優勝祝い＆引退のパーティに招待されてるんだ。おめでとうを言って、今後の活躍を祈りたいな。今日はスタートにザラが来てくれたんだ。パリに来るだろうって思ってたから、嬉しかったしやる気が出たよ。この後はドイツのTVに出て、明日はパリまで走行だ」とのこと。ドイツ放送局よ、ヤンを誉めてやってください……。
　いくつかのインタビューでヤンが語ったことをまとめてみましょう。「シャンゼリゼではランスと握手するよ。このハードなツールを7度優勝したことは、長く語り継がれるだろう。時々ファンから、「ヤン、もし彼と同じ次代じゃなかったら、6度は勝っていただろうに、すごく残念ね」ってな感じの手紙をもらう。でもそんなこと考えたこともないよ。僕はむしろ、彼の挑戦者としていられたことが嬉しいんだ。彼も僕をライバルとして尊敬してくれてる。彼のサヨナラ・パーティに呼ばれてるから、シャンパンで乾杯したいな。ランスにとってステージ優勝はとっても大事なことだった。彼は母子家庭で育って、彼のママは苦労して彼を育てた。僕のパパも子供の頃に家を出ていったけど、ママと兄弟たち、ペーター・ベッカー・コーチやウルフガング・ストロウバンド、メルディンゲンの人たちが僕を励ましてくれた。彼がマイヨ・ジョーヌを着て表彰台に立っても、嫉妬は感じない。スポーツマンとして彼を尊敬するよ。親友ってわけじゃないけど、お互いに親近感を感じてる。ランスは引退する。「1年は自転車は見たくないよ」って言ってる。彼を最後に負かしたかったけど、表彰台に載れることは嬉しい。ツールは来年もあるからね」。ちなみにアームストロングは「ヤンはやっぱり特別だよ。僕にとっては一番脅威になる選手だ。もっと……ってほどじゃないけど、もうほんの少しだけ、いい状態でツールに来る必要があるね（とほほほ……）。それを変えたら勝つだろう」
　トビアス・シュタインハウザーは「チームのムードはいいよ。僕たちはハードに闘ったし、アタックし続けた。そんなことをしたのは僕たちのチームだけさ。ヤンもラスムッセンに対して木曜日にタイム差を付けたし、金曜日はゲリーニが勝った。怪我があって最後の方はチームを助けられなかったけど、後はパリに向かうだけ、満足してるよ」
　リタイアしたアンドレアス・クレーデンは「パリに辿り着けなくて、すごく悔しいよ。でも、痛みがひどくて到底無理だった。結果が出せなくて批判を受けていただけに、証明したかった。春の失敗は、トレーニングを限界までやってしまったことにあると思う。来年の春には改善する。ツールの勝利は夢さ。ヤンの準備ができてなかったら、僕が頑張る。ヤンが準備万端だったら、アシストとして頑張る。問題はないよ。今年のツールはクールシュバルで失敗したけれど、度重なるアタックで、ランスを脅かしたと思う。彼は強すぎた。脱帽だね」

【2005.07.23　本日のウルリッヒ】
　ターボ・ベッペことジュゼッペ・ゲリーニが第19ステージの優勝を飾りました。ウルリッヒは「お祝いを言いたいよ。彼を先頭集団に入れるために、僕たちは頑張った。そして彼はステージ優勝だ、素晴らしい！　今日はタフで、1日中踏んでなきゃならないようなプロフィールだった。でも、ゴール前の数キロで、ベッペの優勝を無線で聞いたんだ。チーム順位のために、彼を戦士として送り込んだ。昨日の夜は、マッツ・ケスラーを祝ったんだ。チーム順位を取り戻すために、彼は怪我をしてるのに頑張ってくれたんだからね。明日は表彰台か何も得られないかが決まる。TTは得意だし、タフだけど頑張るよ。ラスムッセンはそうじゃないから、アドバンテージになる。ステージ優勝を目指して頑張るからね」と日記に書いています。
　さて、来年度からT-モバイルの体制が変わりますが、すでに今期から共同でジェネラル・マネージャーをやっていたオラフ・ルドヴィッヒが単独で就任、ウォルター・ゴッデフロートは引退となります。エリック・ツァベルには来期の契約＆引退後の契約を申し出ており、ツァベルは月曜日に決定するとのこと。ツァベル、フォナックなどのチームかからオファーがありそれを考慮しているようです。ヴィノクロフは今期限り。27人中13人の契約が終了しますが、ジョゼッペ・ゲリーニ、ダニエル・ナルデッロ、マティアス・ケッスラーは交渉中。ケッスラー、ゲロルシュタイナーへの移籍の噂あり。新たにパトリック・シンケヴィッツ、マイケル・ロジャースが契約。トマス・ジーグラーがゲロルシュタイナーより移籍。オラフ・ルドヴィッヒは「トップの選手たちの健康状態さえ良ければ、来年もツールでは期待できるだろう」とのこと。ルディ・ペヴナージュは「ロジャースとシンケヴィッツはヤンの助けになるだろうが、もう少し駒がいるね」と語っています。

【2005.07.22　本日のウルリッヒ】
　クレーデン、月曜日にフレイブルグで手術を受けるようです。ウルリッヒの日記より「クレーデンがTVのインタビュー・クルーに掴まる前に、一緒に朝食を摂ったよ。彼は月曜日に手術の予定で、だから日曜日のパリでのパーティには来られると思うんだ。今日の作戦は個人の成績を上げることと、チーム総合優勝を取り戻すこと。上手くいったと思う。マッツは先頭集団に入れて、怪我にも関わらず頑張った。僕も少しタイムを取り返したよ。昨日の辛い出来事から、ちょっとポジティブになれた。土曜日のTTに集中するよ。昨日はルディ・ペヴナージュがホテルを訪ねてくれた（ずっと一緒じゃなかったのね～。爺やがいなくて、心細かったでしょうね……TTの車にも乗れないのね……）。8人でパリを目指すよ」ってな感じです。
　インタビューでは、「ランスやバッソとはタイム差を付けられなかったけど、ラスムッセンとのタイム差が少しでも縮まったのは良かった」とのこと。
　なお、ケッスラーが逃げ集団に入ってゴールしたので、チーム総合順位は再びT-モバイルが1位に上がったようです。「ちょっとした戦いだけどね」とケッスラー。クンマー監督は「チームは良くやったし、ヤンも良くやった。彼の表彰台を確信している」と発言。

【2005.07.21　本日のウルリッヒ】
　ツールが終わったわけではないのに、話題になることは移籍話だけというのが、虚しい状況ですね～。
　ヴィノクロフはコフィデイスかクレディ・アグリコール、AG2Rになりそうです。ディスカバリーという噂は、ブリュイネル監督が否定しました。「彼は確かに最もタフで頭のいいライダーの一人だ。だが、私は彼がツールに勝つとは思わない（おいおい……）」と語ったとか。6月半ばくらいから噂になっていたディスコ・チーム移籍でしたが、ヴィノクロフの言葉（【2005.07.20　本日のウルリッヒ】参照）が虚しい……。
　ディスカバリーはイバン・バッソに来期の契約を申し出ていたのですが、バッソはそれを断り、CSCと3年契約を結んでいます。契約額はヤン・ウルリッヒに次いで最高額だとか。そのウルリッヒは2006年までT-モバイルと契約があり、オラフ・ルドヴィッヒ・マネージャーは「ウルリッヒは我々のお守りだ（？？）。キャリアが終わるまでT-モバイルにいるだろう」とのこと……とほほほと、何故か思ってしまいますわぁ。ブリュイネル監督の「ポポビッチがツールの表彰台に登るまでには、もう数年かかるだろう。2006年に優勝の可能性があるのはバッソとウルリッヒだけだ」という言葉が、これまた虚しい……。
　第17ステージを出走したクレーデンですが、痛みが激しくなってリタイア。怪我をした時は、当日はアドレナリンが噴出しているのと麻酔のおかげで何とかなるのですが、翌日がひどいとのこと。それを思うと、ヤンは頑張ってるのですね～。ケッスラーもシュタインハウザーも、怪我で調子が良くないようです。クレーデンのリタイアでチーム総合成績をデイスカバリーに抜かれてしまいましたが、TVのインタビューで何か策はあるのかという問いに、クンマー監督は「ない」と答えたとか……とほほほほ。
　ウルリッヒも日記で語っています。「こうなることを恐れてたよ。クローディは棄権せざるを得なかった。2人のチーム・ドクターが彼がいつものポジションでいられるように固定してくれたんだけどね。走り初めてすぐに痛みがひどいのがわかった。彼が早く良くなって復帰できるように祈ってる。もう一つのニュースはヴィノの離脱だ。彼がチームを変わることを考えてたのは知ってた。彼の決断にがっかりしたよ。彼は立派なライダーだっていうだけじゃなく、すごくいい人格の友だちなんだ。でも、ツールでキャプテンとして活躍することを考えている。彼の気持ちが理解できるよ。僕たちにとっちゃ悪いニュースだけど、僕はヴィノの活躍を願ってる。いいニュースじゃないことばかりだけど、プロとして僕たちはこの状況でもやってかなきゃね」とのこと。

【2005.07.20　本日のウルリッヒ】
　アンドレアス・クレーデン、マティアス・ケッスラーが第16ステージで落車、完走はしたもののクレーデンは病院に運ばれ、左手舟状骨の骨折と判明、ケッスラーは軽い脳震盪、頭痛、脊椎の痛みを訴えていたようです。クレーデンが走るかどうかは、まだ未定。クレーデンは胃痛も訴えていた模様。ウルリッヒの日記によると、バスの運転手（T-モバイルのページでビデオに出ている人かな）も、腹痛になったとか。彼ら2人がパリまで行けるようにと願っていますが、さすがに最終週となるとみんな疲れてきます。
　第15ステージのウルリッヒ失速の一因は、ハンガー・ノックらしく、ロルフ・アルダグもそうコメントしていたようです。ウルリッヒは、無線で呼んでも誰も答えてくれなかったとか……とほほほほ。「オスカル・セビーリャが前に行ってるはずなんで、何か持ってないか連絡を取ろうとした。だけど、ノイズだけで何も聞こえないんだ。あばら骨も痛み出した」とのこと。彼が来た時には遅かったし、何も持っていなかったのね～。バスク人、尻を触るだけじゃなくて、何か食わしてやってくれよ～。もっとも、そんなことになっちゃうヤンって……そして、チームって……何て準備不足なんだ！　ヤンのサコッシュには、一杯入れてやってください……。
　なお、体重はチーム・ドクターによると97年優勝時より2.5Kgほど重いとか（それだけか？　ほんとにそれだけか？）。これは冬の間に筋肉を増やしたからだとか（ほんとか？　ほんとにほんとか？）。ただ、ツール・ド・スイスを見たイェンス・フォイクトによると（この人もよく出てくるねぇ）、この筋肉増量があまり山に適さないのではないかと懸念していたとか。チーム・ドクターは「色々と批判はあるだろうが、彼がここまで走れているのに驚いている。痛みについては、言い訳をしたくないから滅多に語らないよ」とのことです。今年のヤン、確かに真面目に準備していたようですね、結果は別にして……。
　クレーデンとケッスラー、無事、スタートしたようです。手首は特別のプラスターで固定され、今日の走りで様子を見るとか。ヤンが鍼灸師のドクターを呼んできているのが、効果的だったらよいのですが。
　ヴィノクロフはT-モバイルを去ることにし、別チームでキャプテンとしてツール優勝を目指すとのこと。「残念だが、彼の決断は理解できる」とマネージャーのオラフ・ルドヴィッヒ。すでにディスカバリー、フランスのチームからオファーが来ていて、ヴィノクロフは「デイスカバリーに行くか、T-モバイルに残るかしか、考えていない」と語っていたのでした。これで、来期はどこか決定ね。

【2005.07.19　本日のウルリッヒ】
　ゴッデフロート・マネージャー、引退にあたって人間が丸くなったのか、それとも本心なのか「私はいまだにヤンとアームストロングは大差はないと思っている」とメディアで発言。愛憎がないまぜになっているのでしょうかね～。その憎の部分を担っている（？）ルディ・ペヴナージュ爺が、来年、T-モバイルに帰るという噂があります。ま、噂ですが。ちなみに、ヤンはやはり来年もツールに出るつもりだと発言。「ツールのもう一度の勝利は、自転車人生でやり残したことさ」ってな感じ。CSCのリース監督は、イバン・バッソと来期も契約を結び「来年勝つのはバッソだろうね。ヤンはもう山では無理だ」と強気発言。
　イェンス・フォイクトは第15ステージのCSCの戦略について「僕たちは逃げの集団に誰もアシストを送り込めてなかったし、7人のメンバーになってしまってたからね、テンポを速めて早く裸の闘いに持ち込む必要があった。ランス、ヤン、イバンと残ることになって、イバンはアタックをしたが、ランスが強くて無理なことを理解した。で、ランスと共闘して、ヤンとラスムッセンを落とすことにしたんだ。昨日の敵は今日の友、それがロードレースさ。結果、ヤンは付いて来られなくなった。でもね、僕はいつも言ってるけど、ヤンはランスと同時代に出てしまったっていう不運の持ち主さ。そうじゃなかったら、ツールで3、4回は勝ってるだろう……」ってなことを言っています。ううむ、あっしの推察通りですが、ちっとも慰めになってませんよぅ～。
　メディアの批判はヤンに集中しているのは当然ですが、ちょいと好意的な（？）意見も……。ヤンが15ステージの失速についてハンガー・ノック的なことを理由に挙げたことについて、「どうしてキャプテンにそんなことが起きるのだ？　そもそも、どうしてキャプテンが自動車のリアウインドに衝突するのだ？　どうしてキャプテンが第9ステージで転倒して致命的な怪我を負うのだ？　クレーデンは今や「ヤンを表彰台に載せるために全力を尽くす」、ヴィノクロフも「チーム全体で毎日アタックするさ」と言っているが、遅すぎはしないか？」とのこと。うんうん、ウル・ファンの心を少しだけ代弁してくれています。
　おや、ゴッデフロート氏、「今年のヤンの準備が間違っていたとは思えない。ツール・ド・スイスの後も、彼は進歩していたし、去年よりもずっと調子が良かった。すべて上手くやっていた」とも発言しています。むむむ？　批判はマスコミが煽っただけなのかな？
　ヤンは記者会見で「表彰台を目指して頑張るよ。少しでも秒差を縮めるつもりだ。2度の落車の後、今の位置にいることに満足してる。最初の落車では出血し、軽い脳震盪を起こした。2度目の落車では、肋骨を打って今でも痛みがある。だけど、落車がなかったらランスを倒せたかどうかはわからない。彼はすごく強いからね。ツールはまだ終わってないんだから、来年のことは考えてないよ」と最後まで闘う発言。
　日記では休息日でリラックスし、チーム・メイトに感謝し、チーム優勝に確信し、表彰台を目指すと書いています。サッカーの試合を見に行ったみたいね。
　チームの広報インタビューでは「ランスは引退したら、1年は自転車を見たくないって言ってたよ。色々とチャレンジしたいことがあるみたいだね。ヴィノクロフは、ピークを早くに持って行き過ぎたとは思ってない。ドーフィネ・レベレで勝ったけど、ツールはまた別だからね。どのキャプテンもベストで臨んでくるんだ。彼はアルプスで勝って、強いって証明できたさ。表彰台は、まだ可能性があると思ってる。残りの1週間はヘビーだし、これ以上落車がないように、怪我しないようにやっていきたい。数秒でも縮めるつもりで、毎日頑張るよ。ラスムッセンはTTが得意じゃないけど、ツールじゃ思いも寄らない力が出るからね。機会がある限り、努力するさ。ラスムッセンはダークホースだったよ。スペイン人じゃエラスが出てくると思ってた。ラスムッセンはジロじゃ調子が良くなかったからね。でもいいライダーだし、山では強いってことを何度も証明してる。ツールはまだ終わってないし、60位くらいじゃなくて4位にいることに満足してる。2度のひどい落車で、病院送りになってたかもしれないんだ。まだ走っていられることが嬉しいよ。ドイツじゃ批判が起きてるって？　いつもそうさ、勝たなきゃ批判される。でも僕はずっとそうだったし（←それが問題なんだよ！　ずっとそうって……ずっと勝ってないからだよ！）、毎日全力を尽くすだけさ。闘い続けるよ」
　マリオ・クンマー監督は「ヤンを表彰台に載せるために、全力を尽くす（←遅いんだよ！）。アームストロングを孤立させるチームの作戦は上手くいった。アームストロングが強すぎた」

【2005.07.18　本日のウルリッヒ】
　「僕たち全力は尽くしたよ。もう何も残ってない」第15ステージを終えてのウルリッヒのコメント……。「補給が少なかったのかもしれない。最後で1分の差がついてしまったからね」。マリオ・クンマー監督は「我々に悪いところはなかったと思う。ヤンも力を最後の一滴まで振り絞って頑張った。バッソ、アームストロングがより強かったということだ」とのこと。ちなみに総合タイム差は5分58秒の4位。3位のラスムッセンとは3分ほどの差がありますから、TTが得意なヤンでも、これはかなり厳しい状況。
　日記では「表彰台に登りたかったよ。少なくとも、いいタイムでゴールしたかった。残念ながら、上手くいかなかったけどね。差を縮めたかったけど、ランスとバッソに1分差つけられてしまったし、ラスムッセンとももっとタイム差が欲しかった。オスカル・セビーリャも、今日は自分のステージにしたいと頑張ってた。奇跡は起きなかったけど。だけどいい走りをして、実力を証明できたと思う。とてもフレンドリーでいい男なんだ。渋滞に巻き込まれて、ホテルへの帰りが遅れていらいらした。マッサージとディナーが、このハードなステージの後は何よりも必要だったからね。明日が休養日の上に、しばらくこのホテルに滞在できるのがありがたいよ。明日は少し練習し、回復に努めるよ。まだ表彰台に登りたいんだから」ってなこと。ところで、個人サイトの日記に書いていることと、T-モバイルのページの日記って、微妙に違っているところもあるのですね～。個人サイトでは、「ランスが追ってこなかった時に突き放すべきだった」と、16ステージのアタック・ミスを認めています……。
　ゴッデフロート・マネージャーは「ヤンにはがっかりしたよ（←またかい！）。ヤンの面倒を見ている連中から、いつもいい話しか聞いていなかった。いつも彼らは「ヤンは準備万端だ」と言い続けていた。私が見る限りじゃ、ちっともそうじゃなかった。以前のほうがずっと良かった。それはともかく、チームはよくやってアームストロングを孤立させるという計画は上手くいった」と、やっぱりウルリッヒ批判をしているようです……とほほほほ。

【2005.07.17　本日のウルリッヒ】
　ピレネー山岳初日、T-モバイルはチーム全員が「今日だ」と決めて集中していたようで、朝食の席でも言葉少なだったとか。ウルリッヒが日記に書いています。「チームはみんな頑張ったよ。作戦も上手くいった。僕も限界まで頑張ったけど、最後には足がなくなってランスに付いていけなかった。でもいい闘いだったと思ってるし、満足してる。まだ明日のハードなステージがあるから、休みたくて、早くチーム・バスに帰ったんだ。完全に身体が回復して、明日も同じようなパフォーマンスができることを願ってるよ」とのことで、やはりへとへとに疲れていたのですね～。
　なお、ウルリッヒにはファイティング・スピリットがない、プロ精神がないという様々な批判に対し、ついにブチ切れ（？）、「ええ加減せえ！　2度落車して、これだけやってるっちゅうのに、まだ文句があるんかい？！」ってなこと。ウルリッヒ、ぐれなきゃいいんですけどぅ～。

【2005.07.16　本日のウルリッヒ】
　ヴィノクロフのクールシュバルでの落後は、休養日に休みすぎたのが原因ではないかとの、チーム・ドクターの判断。休養日に2時間ほどしか自転車に乗らなかったが、人によってはそれが良くないことになるのだとか。また、ウルリッヒの驚異的な回復には驚いているとのこと。呼吸によって肋骨に痛みは感じているものの、足が痛み始めるので、肋骨の痛みは感じなくなる、呼吸障害がなかったらアームストロングに付いて行けたかどうかはわからないが、少なくともバッソに遅れることはなかっただろう、との判断です。大変でしょうが、ピレネーでは頑張ってほしいものです（ピレネーの注目がヤンのシャツの穴だけにはなりませんように……。いや、シャツの穴が注目されるのは、先頭を走っているからいいことか？）。ちなみに、クールシュバルでクレーデンにウルリッヒを待つようにと指示したのはウルリッヒの天敵のゴッデフロート・マネージャーだったとかいう噂。ま、噂ですが。クレーデン、「ヤンのアシストに徹する」「ヤンがキャプテンだ」と言っていただろう？　忘れるなよぅ～～。

この胸の穴、
気になりません？？
ちょうど、アディダスの
マークのところになる
ような気が……？

【2005.07.14　本日のウルリッヒ】
　T-モバイルのゴッデフロート・マネージャーは「ヤンはまだツールで勝てる？」とのマスコミの質問に、「ピレネーを見てみよう」との答え。「来年のツールには勝てる？」の質問には「1月からちゃんと準備したらね。私はヤンにずっと言ってきたが、彼を変えることはできなかった。でも、もう私の仕事じゃないもんね～」とのこと。
　ウルリッヒは日記でヴィノクロフの勝利を「おめでとう！　作戦が成功したし、僕自身も気分がいいよん」と喜んでいます。第10ステージについて「正直言って、ランスと彼のチーム・メイトが終始集団を支配し、そのまま消えていってしまったのを見たのはすごく辛かった。たくさんのジャーナリストがホテルに来ていて、僕はインタビューの約束もあった。楽しいことじゃなかったけど、これも職業のうちだからね。質問はツールはもう終わったのかってことばかりだったけど、僕は「NO！」って答えた。ランスは強いけれど、僕はファイターだし、ツールはパリで終わるんだから。4分差は大きいけれど、僕は日に日に強さを取り戻してきたし、決してランスは安泰じゃないさ。僕たちはチームを信じてる。ピレネーでもしチャンスがあったら（←もし、かよぅ？！）、アタックするよ。たくさんの応援ありがとう。読む時間もないし応えられないけど、応援があることで元気が出るよ」とのこと。
　なお、ウルリッヒはやっぱりピアスは外していないですね～。では、次のピレネーでの注目点。アンダーシャツの胸のマーク（←そんなことくらいなのかぁ？）。アディダスとの契約、切れちゃった？　それとも、うっかり他のメーカーのを着ているの？？？　「ヤン、それ、まずいんじゃない？」「ん？　なに？　うわぁ～、俺、ナイキ着ちゃったよ！」……って、それはナイキ（←す、すみません……）。ヤンの第10ステージの失速は、この動揺が原因か？！

ヤンの肋骨
まあ、それがどうした？
なんですけどね～。

【2005.07.13　本日のウルリッヒ】
　レース直後にマスコミに囲まれて、かなり疲れた様子でがっかりしていたふうのウルリッヒ、それでも「Morgen ist ein neuer Tag（Tomorrow is another day……だっけ？　「風と共に去りぬ」のラストの言葉は？　明日考えよう、明日があるわ、って訳でしたっけ？）」と日記に書いています。「今朝はみんなやる気満々だったさ。ウォルター・グルーティンゲル（チーム・シェフ、めがねのお兄ちゃんね）はパンケーキのアップルソースかけと、特製パンと色んな種類のシリアルを用意して応援してくれた。お互いに励まして、マイヨ・ジョーヌを目指してアタックしようと誓った。僕も最初の山じゃ調子が良かった。確かに予想通り、呼吸をすると背中が痛かったけど、それで力が弱まったとは思わない。ポポビッチがテンポを上げてランスがアタックした時、乳酸過多（？）で付いていくことができなくなったんだ。確かに今日のステージ中、呼吸がずっと苦しかったけれど、このハンディキャップがなかったら、もっと速かったかどうかはわからない。言えることは、全力を尽くして闘ったってことだ。何よりもクレーデンには感謝してる。彼は僕を待ってくれて、サポートしてくれたんだ。でも、チーム全員が全力を尽くした。もちろん、結果には失望してる。だけど、明日はまた別の日さ。僕は降伏しないよ」とのこと。アームストロングから4分2秒遅れの8位は痛いけれど、ツールはまだ長い。頑張れ、ヤン！　なお、クレーデンは4分16秒遅れの9位につけています。

【2005.07.12　本日のウルリッヒ】
　「ツールをリタイアすることなんて、考えたことはない。今もそうだ」とウルリッヒはコメント。右の額は腫れて、目の周りは痣ができています。60Kmで下っていた最中だったとか。肋骨の打撲で呼吸は少し妨げられ、他にも身体のあちらこちらに打撲があるようです。「明日が最初のきつい山岳で、様子を見る必要がある」とチーム・ドクターの弁。「アームストロングが待っていてくれて、感謝している。今日は3時間ほど走ったけれど、痛みはある。ただ、明日はもう少し良くなってると願いたい。僕は楽観主義者さ。ヴィノクロフ、クレーデン、僕で、ランスにアタックできる。お互いに争うことは無意味さ」とのこと。ヤン、かなり辛そうな表情ですぅ～。ツールはまだまだ、早く回復することをねがいましょう。
　T-モバイルのページでは、日曜日は夜の1時まで手当を受けていたことが書かれています。ウルリッヒは、セラピストのビルジットさん以外に、このツールでは鍼灸師のドクターを数日遅れで迎え入れています（これは、1カ月前から頼んでいたことだったけれど、ドクターの都合で到着が遅れたとか）。彼ら、及び2人のチーム・ドクターの治療を受けていた模様。「今朝は少しはましになってたよ。昨日の夜は動くのが辛かった。もっとひどくなるんじゃないかと心配してたけど、OKさ。肋骨はまだ痛いけど、順調な過程だ。明日は最初のハードな山岳で、どうなるか様子をみてみる。今までハードに練習してきたんだから、楽観視してるよ。登りのグループは小さくなるだろうし、足にこたえるだろう。でも、そのために僕らはここに来たんだし、準備してきたんだ。大変になったことはわかってるけど、楽しみにしてる。コル・ド・ラ・シュルツじゃ、ヴィノクロフがアタックして、クレーデンがアタックした。ランスはクレーデンを追わないことにした。その作戦はわかる。ランスはすべてのアタックに反応できないからね。僕はアタックしなかった。ランスはまだまだパワーがあったし、僕をマークしアタックに反応することがわかってたからね。今後はタフな闘いになると思う。僕はランスを追うことにつとめるよ。彼は山でも最強のライダーだし、倒したい男であることに変わりはないんだから。すべての選手のアタックに反応することはできないけど、ヴィノとクレーデンがいれば、カバーできると思う。アームストロングとT-モバイルの闘いになるかどうかはわからないけど、マヨ、バルベルデ、バッソのアタックが期待できると思う。彼らはヴォージュでも強かったから、アルプスではどうするのか、見てみないとね」とコメント。日記では「休息日だったけど、休みにはほど遠かったよ。夜中の1時まで手当を受け、ビルジットのボンテージのおかげでずいぶんと楽になった。ドクターが手配してくれて、グルノーブルの病院で検査を受けた。その後練習に加わって、記者会見だ。それが終わって、少しはリラックスできる。明日の山岳で、どれだけ癒えたかわかると思う。まあ、足が痛くなるだろうから、きっと肋骨の痛みは忘れるよ。あしたのクールシュバルは面白くなるだろう」とのこと。

【2005.07.11　本日のウルリッヒ】
　今年のウルリッヒは何てついていないんだ！　第9ステージで落車したヤン、軽い打撲と擦り傷と本人は語っていますが、かなりひどい落車だったとか。突風でバランスを崩し、溝で3、4回転がったということ。ヘルメットが割れ、額を怪我したとか。右半身の打撲で、右膝の出血、左足の擦り傷、肩の打撲など。右のあばら骨が骨折していないかどうか、月曜日に検査を受けるかもしれないとのこと。「普通に呼吸できるよ。今日よく眠るさ。明日が休みで良かったよ」との談話。チーム・ドクターによると、背中3カ所に打ち身、あばら骨と頭を打ったとか。眠れるか、痛みなく呼吸できるか様子を見る必要があるようです。う～ん、心配ですね。続報を待ちましょう。ちなみに、TVではあまり映らなかったけれど、右膝からかなり出血しています。休んで良くなってほしいですね～。
　ツール日記では「今朝、イェンス（フォイクト）がマイヨ・ジョーヌを着るか、ランスがそれを許すかって話を、朝食の席でしてたんだ。素晴らしかったよ！　パリまでマイヨ・ジョーヌを守ることは無理だろうけど、ようやくアタックしてたことの成果がでたものね。彼はいいライダーで、マイヨ・ジョーヌに値するよ、おめでとう！　今日の僕は順調な出だしじゃなかったな。最初の下りで、狭いコーナーで、突風にさらされてコントロールを失って、溝に3、4回転げ落ちちゃった。今年はクラッシュが多いよ。切り傷と打ち身があるけれど、それ以外は大丈夫さ。スタイニーとステファンがすぐに止まってくれて、僕をペロトンに戻してくれた。昨日の夕方はメディアのインタビューをたくさん受けた。楽しかったよ。でも、山に備えて、身体を休めてリラックスする必要がある。夕方グルノーブルに飛んで、明日は休みで軽いトレーニングをこなすよ。落車の後のいいリカバリーになると思う」ってなことを書いています。
　なお、第8ステージ、沿道には娘のザラ・マリアちゃんが来ていたと報じられていましたが、元彼女のガビィさんが連れてきていました。娘にキスしたヤン、2歳のザラ・マリアちゃん、大きくなっています。ブロンドで可愛い……ヴィランクの嬢ちゃんのように、ちっちゃいマイヨ・ジョーヌを着て表彰台に一緒に上がったら、無茶苦茶可愛いだろうな～。ちなみに、今彼女のザラさんの姿も、少し離れてあった模様。
　グルノーブルのクリニックでX線検査を受けた結果、肋骨はおれていないことが判明、良かったです～。ただし、ひどい落車で数日は影響するかもしれないとチーム・ドクターの言葉。セラピストたちも、芳しくないとのこと。ただ、ウルリッヒは「思ってたよりも、今朝は気分が良かったよ」とのことです。

【2005.07.10　本日のウルリッヒ】
　ドイツのホテルでは新しい彼女のザラさんが来ていたとかいう噂。ママも来ていたようで、その様子がT-モバイルのページで見られます（彼女は写っていませんが）。嫁姑対決も、同時に行われていた？！
　CSCのリース監督がアームストロングとウルリッヒについて語ったとか。かいつまむと、「アームストロングはスーパーアスリートで、意志が強く、戦士で、状況を把握する能力があり、敵を分析するのに長けている。100％組織だっていて、幸運に恵まれている。足だけが強くてもだめで、頭が強くなければならない。ヤンはただ走っているだけで、自分のことに集中していて、周りを見ていない。100％の力で走ればいいと考えているだけだ」。ウルリッヒの欠点は、アタックをしようという気がないこととか。もうそれは無理だろうとのこと。う～ん、ヤン、アタックだよ！　それにしてもCSCも働けよ。ところでルディ・ペヴナージュは、「最後の週のピレネーが一番キツイから、限界まで行く必要はない」とのこと……でも、そんなこと言ってる場合でしょうか？
　ウルリッヒの日記では、クレーデンのパフォーマンスを勝利と同じだと喜んでいます。第9ステージの彼の役目はランスの見張り役だったとか。山に入ることが嬉しいよ、とのこと。オラフ・ルドヴィッヒも「イル・バレアレスが今日はハードにやってくれたし、他のチームもペースを保ってくれた。それこそ我々が望んでいたことで、ディスカバリーが打ち倒せると示したと思う」と語っています。クレーデンも満足しているようですが、「キャプテンはヤンだ」とコメント。

【2005.07.09　本日のウルリッヒ】
　ツールはドイツを通っていますが、相変わらずウルリッヒは批判の的。最初のITTで、こんなに差が付いちゃう他の選手達にも問題はあると思うのですが……。元世界チャンピオンのルディ・アルティグも「ウルリッヒの言い訳には飽き飽きした、この金食い虫」と批判しています。もっとも、「ヤンが好きだから、奮起してもらいたいのだ。ヤンはアームストロングを倒すことができる」とのこと。イェンス・フォイクトは、「あのひどい落車事故の話を聞いているから、マスコミがウルリッヒを批判するのは理解できないよ」と擁護。ちなみに、事故に遭った時、ウド・ボルツが「どうしてそんな状態の選手を出場さすんだ？」とT-モバイルに聞き、「一人でも欠けると、アームストロングを倒すことは不可能だから」とチームのメンバー（ケッスラーだったかな？）の答えが返ってきたとかいう記事がありました。う～ん、後から実は鎖骨を骨折していたなんて話が出なきゃいいのだけれど。そのウルリッヒは、ドイツのファンの声援に感謝しています。
　ちなみに見つけたいくつかの批判は、「ヤンはもはやキャプテンではない。キャプテンとしてやっているのは、ディナーで最後に席に着くことくらい」（←ひどいよぅ～）。

【2005.07.08　本日のウルリッヒ】
　「お誕生日おめでとう、エリック」というのが、7月7日のヤンのコメント。「ステージ優勝はできなかったけれど、ヴィノの2位はほんとに嬉しいよ。今後、こういったステージでもランスはヴィノのような選手を追わざるを得なくなるからね」ということ。今日からのドイツに入るステージを楽しみにしているようです。
　第6ステージのヴィノクロフのアタックは、計画されていたものだったの、という質問に、クンマー監督が答えています。「ああいったことは、誰も最初から計画できないよ。特に、スプリンターを抱えているチームが這い・スピードで追うステージだとみんなが思ってるからね。ステージはハードで速く、雨も降っていた。だがヴィノはフリーな状態でいたし、力が余ったいた。それでアタックしたんだ。そこがヴィノさ。だが、キャプテンはヤンであって、議論の余地はない。私はヤンも同様に力強いと思っている。アームストロングはヴィノクロフをマークしているとは思えない。彼は相変わらずヤンをライバルと考えている。だからヴィノクロフがいい状態でいれば、我々にとってはいいことだ。ヤンがアタックしたって、アームストロングは3mも行かせてはくれないだろう。だからヤンだったら、あんなアタックをするのは意味がない。だがヴィノだったら別だ。ナンシーで彼がアタックするのは計画していなかった。彼はすべての状態を利用できるプロだ。チームのためにもなった。平地を乗り越えて、ヴォージュに入ってからが勝負だが、戦術を明かすことはできないね」ってなこと。

【2005.07.07　本日のウルリッヒ】
　ウルリッヒ自身も、落車後の状態は日に日に良くなっていると語っています。最初の日に大きくタイムを失ったのは腹立たしいが、まだツールは2週間半残っているし、山でアタックする、ドイツを通るのが楽しみで、山じゃないのが残念だね、それならドイツのファンに見せられるのに、とコメント。ツール日記では、「第5ステージもアシストに囲まれて、落車も逃れて無事にフロントでゴールできたよ。今は夕食だけど、僕たちのシェフ・ウォルター・グルージンガーが、いつも的確な食事を作ってくれるんだ。彼がいるのはアドバンテージになるよ」とのこと。チーム広報係のヤン（？）は、こうやってスタッフを紹介しています。TTTの時は、兄のステファンを含めてメカニックの紹介でした（この日記、ほんとは誰が書いてるのかは、考えないのがお約束ね）。おや？　英語のサイトの方では、セラピストのビルジット・クローム、チーム・ドクター2人に、落車の影響から回復していることを感謝しています（ふ～ん、ちょっと違う内容なんだ）。
　来年もツールに出ると言っていますが、アームストロングと較べられる批判に対し「ランスのやり方には興味ないし、彼の真似をするつもりはないよ。僕には僕なりのチーム・メイトの接し方がある。声を荒げる必要もなければ、攻撃的になる必要もない。フレンドリー過ぎるったって、誰も僕を変えることはできない」とのこと。
　ところで気になるニュース。現在のヤンの体重は75～76Kgだとかいう噂……。山に入るには、少し重すぎないかえ？　いや、いつもツール期間中に体重を減らしていくようですから、ヤンを信じていましょう。これは最初の19KmのITTに備えて、体重を考えたのかもしれませんね～。失敗に終わっちゃったけれど。初日のITT、最初の9Kmでヤンは急速にスピードを落とした（スピードに乗れなかった？）ようです。後半からスピードは上向きになったようですが。いつもITT後半でスピードを上げるヤンですが、今回はどちらかというと落車事故の精神的ショック（本人が気づいている、気づいていないに関わらず）で、集中力を欠いていたのではないかという分析がありました。

【2005.07.06　本日のウルリッヒ】
　ヤンは調子が戻ってきているようですね。TTTに加わったオスカル・セビーリャが語っています。「ヤンが先頭を走っている時、まるでモーターバイクの後について走ってるようだったよ」。
　トビアス・シュタインハウザーが途中で切れたことで、彼の代わりにツァベルを入れるべきだったんじゃない？という批判が上がる（実際、少し前から上がっていますぅ……）を恐れてか、クンマー監督は語っています。「トビアスは早い内に自己犠牲してもらい、先頭でできる限り速く引いてもらう計画だった」。
　オラフ・ルドヴィッヒは「TTTの前は、我々は期待されていなかったが、十分に強いという結果を出せたと思う。満足している」とのこと。
　さて、ウルリッヒも日記で満足していると語っていますが、ちょいと気になるのは、ヴァレリオ・ピバ監督の誕生日を祝ったよ、と書いていること……。マネージャー・ウォルター・ゴッデフロートの誕生祝い会も数日前にあったのですが、そのことには触れていなかったような？　ううむ、二人の関係は修復されていないのですかね～。もっとも、ITTで失敗した後だっただけに、そんな話は書けなかったのかな。ちなみにゴッデフロートは「キャプテンはウルリッヒ」「山での調子を見てから」といい続けていますが、「97年はウルリッヒが調子が良かった時、リース自身が私の元にやって来て、キャプテンをウルリッヒにしてくれと言った。彼は男気があった」なんて意味深なことを語っておりました。う～んでもね、今回は事情が違うでしょう？　ヤンは徐々に調子を取り戻してきているようだし、まだ最後のITTが残っているのだから。まあ、山で証明すりゃいいんだろうが！　ヤン、頑張れ。
　ちなみに、ウルリッヒはアームストロングがいなくても来年もツールに挑戦するとレキップ紙に語ったとか……おいおい、敗北宣言じゃないよな？　今年勝って、来年はジロを狙うのが理想なのにぃ～。なお、批判が上がっていることに関しては、「ドイツの批判は、ここまでは聞こえて来ないよ。ファンはまだ僕を応援してくれてるもん」。この日はホテルにファンの一団が来ていたようで、T-モバイルのページでビデオが見られます。この批判、マルセル・ビュストが一番辛口なようで、彼は今年早々から、ず～っとヤンを批判していますが、何か恨みでもあるんですかねぇ？

首の傷が痛々しい。
それにしても、
ヘルメットを
被ってなくて、
これで済んだなんて
奇跡的だよね～。
ヤン、よっぽどの
石頭？？？

決して特殊メイク
じゃありません。

【2005.07.05　本日のウルリッヒ】
　第2ステージで一瞬ウルリッヒが8位に上がったのですが、それが取り消されてしまいました。ヤンが日記で嘆いています。「5秒、タイム差を縮められたと思ったんだよ。だけど、結局同じタイムってことに判断が下された。トップ・グループでゴールしようと僕たちは頑張ってたから、すごく残念さ。今日もハードだったけど、チームのみんなとトップにいようと頑張った。さて、TTTに集中だ。大事なステージなんで、先週の水曜日にみんなで練習したよ。ディスカバリーとCSCが有力だけど、僕たちも頑張るよ！」とのこと。マリオ・クンマーは「判断には疑問を感じる。結果としてメリットはなかったが、精神的に、ヤンがトップ・グループでゴールするのは重要だった」ってな感じ。TTTを頑張るよん、とのことです。
　メディアのインタビューでは「ツールはまだ3500Kmあるんだ。何だって起こりうるさ。落車しても大丈夫だと感じてただけに、あのタイムの説明がつかないよ。でも、日曜日にはずっと気分が良くなった。調子が戻ったよ。もっとひどかった時だってあるさ。去年のツールは、最初の一週間はずっと抗生物質に頼ってたんだ。でも、サドルに乗ってる限り、闘い続けるさ。まだツールに勝てると思ってる。チャンスはあるさ。十分に準備してきたから、落車によって調子が悪くなったとは思ってない。だから、アームストロングの不運なんて願ってないさ。いい走りをして、アタックのチャンスを待つよ。ツールの一番ハードなステージはまだ始まってないんだし、最後のTTも残ってる。ザラ（新しいガールフレンドねん。ランスはシェリル・クロウはずっと一緒だね、と聞かれたのねん）と会えないのは寂しいけれど、電話しあってるし、今はレースに集中してるんだ。TTTじゃチームを信頼しているし、全力を尽くすだけだよ」とのこと。
　ちなみにランス・アームストロングの父親の談話がドイツのダブロイド紙（？）に登場したようですが、そんなことで動揺するアームストロングではないわけで、かえってモティベーションを高めさせるんじゃないでしょか……とほほほほ。

【2005.07.04　本日のウルリッヒ】
　「事故のショックや後遺症というのは、その日よりも翌日、翌々日に出てくる場合も多い。事故にあった時は、アドレナリンが噴出しているから、気がつかないんだ」とのチーム・ドクターの分析。ウルリッヒも語っています。「その日は大丈夫だったんだよ。でも次の日にひどいってわかった……。60Kmでマリオの後について走ってた。何があったかわからない。気がついたら車の上にぶつかった」。マリオ・クンマーによると「ドライバーの小さな声が聞こえたんで、我々を通してくれるものだと思っていた。だが突然に、トラックが我々の前に飛び出した。で、急ブレーキをかけなければならなかった」とのこと。ビルジット・クロームによると「首を切ったのに気がついたわ。出血はそんなに多くはなかったけれど、汗で濡れていたのもあって、ジャージは真っ赤だったわね」。「その時は肩に打ち身と腫れがあった。一回転したんだと思う。ひどい怪我をしている箇所はなかったが、打ち身はすぐには出ないからね。精神的ショックを克服するには、走り続けないといけないし、ヤンはそれができるだろう」とドクターの話。ううむ……ツール・ド・スイスの走りで行くと、ヤンはTTTでは9秒アームストロングに勝っていたという分析を見つけました（もっとも、負けず嫌いの（？）アームストロングは40秒ほどは速い結果だっただろうと言っておりますが）……とほほほほ（涙、涙、涙）。ヤン、昨日のステージでは遅れずに元気に走っていたのが救いです。
「昨日何が起きたかわかるまで、しばらく時間がかかったよ。僕はグッド・シェイプでいると思ってたから、楽観視していた。でも、ランスに追い抜かれたのは信じられなかったし、ショックだった。ただ、前向きに考えるよ。僕はまだグッド・コンディションだって思ってるし、ツールで何かを成し遂げられると思う。事故はランスにだって起きることで、僕たちはそれに対処していかなきゃならない。何が起ころうと、まだまだ頑張るし、闘い続けるよ。今日はチームも上手くいったし、僕も昨日よりずっと気分が良かったよ。火曜日の大事なTTに備えて、みんな無事に過ごさなきゃね。頑張るから、応援し続けてね」とのヤンの弁。
　予言者アルダグのTVコメントは「ヤンは今日は後ろに下がることはなく、ずっと前にいた。闘ってるし、頑張ってる。タイム差を縮めようと努力している。まだまだパリでマイヨ・ジョーヌを着ている可能性はあるさ」。頑張れ、ヤン、差は66秒だ！　ところで、ヤンはピアスを外してる？？　事故のせいでかしらん？　このツールのチェック・ポイントです（←それだけかい！）。

【2005.07.03　本日のウルリッヒ】
　立ち直れるだろうか……。本日のTTが終わって1時間ほどの内に、ヤンはT-モバイルのページ（独）で、日記を書いておりますわぁ。訳す気力もないですが、そんなにひどくは思ってなかったんだけど、落車によって体力を奪われちゃったのかもね、でもツールはまだ始まったばかりなんだから、闘い続けるよ……ってな感じのように思います。そのうちに英語ページにも掲載されるでしょうが、わたしゃしばらく立ち直れまへん……。TTで抜かれるヤンなんて、見たことなかったよね～～～（涙）。
　スポーツ・サイトではヤンがアームストロングに抜かれるショットが表を飾っておりますわ。ヤン自身も、今までそんなことは経験したことがなかったから、意気消沈したと語っております。まあ、TV解説を勤めているロルフ・アルダグの慰めの言葉でも……。「ヤンは、身体は絞れているように見えるよ。これから何が起きるかまだわからないんだから。チーム・タイム・トライアルが重要になってくるだろうね。山岳に入ってからが勝負さ」とのことです。
　なお、チーム・マネージャーのオラフ・ルドヴィッヒは「すぐにキャプテンをどうこうするということはない」とヴィノクロフ＆ウルリッヒの関係についてコメント、ウォルター・ゴッデフロートは「私の経験から、落車の翌日というのは、ちゃんと走れないものだ」と庇っております。

こ、こりゃ、ひどい……

これで済んで良かったよぅ。

【2005.07.02　本日のウルリッヒ】
　何てこった！　今日がスタートだというのに、ウルリッヒは前日の練習中にチーム・カーに激突、負傷したようです……。ただ、怪我はひどくはないとの発表で、チーム・ドクターも「不幸中の幸いで、縫うほどではない。痛みはあるだろうが、明日の出走に差し支えはない」とのこと。ウルリッヒも「見た目ほどひどくはないよ」と語っています。う～ん、でも、ヘルメットをかぶっていなかったという報道もあり、心配ですね～（でも、かぶってなかったら、この程度で済んでいないような……）。ヤンのツール日記では、「みんな、明日のスタートのことばかりを考えてたみたいだね。ちょっと怖い瞬間だったよ。チーム・カーの後について走ってた時、ブレイキ・ライトに気がつかなくて、全速力で後部のガラスにぶつかっちゃった！　もっとひどいことになったかもしれないのに、ラッキーなことに打ち身と切り傷ですんだ。僕は大丈夫だからね」とのこと。なお、7月2日は娘のザラ・マリアちゃんの誕生日、一緒に居られればいいのだけれど、それは無理だから明日には素晴らしいプレゼントをするよ、とのことです。勝利のプレゼントになるといいですね～。

ふ～ん、身長も
計るんだ。
ってことは、勿論、
体重も？

【2005.07.01　本日のウルリッヒ】
　いよいよツールは明日からスタート。ウルリッヒはメディカル・チェックとインタビューを受けました。あちらこちらで話題を目にするようになるでしょうから、このコーナーでは落ち穂拾い的話題でもいたしましょうか。ランス・アームストロングの引退については、「とても残念だよ。引退パーティをするんだったら、招いてほしいね」とコメント。
　トビアス・シュタインハウザーは、妹のザラさんとウルリッヒのことで、すっかりマスコミの寵児となってしまったわけで……。マスコミはザラさんの電話番号や写真を、彼に求めているようです。「ヤンもザラも、騒がれたくないと思ってるからね」とスタイニーは拒否。「ヤンとの個人的な関係で僕がツール・メンバーに選ばれたとは、誰も思ってないさ。ヤンと同じ特別なバイクが与えられたのも、ヤンと体型が同じだからだし、僕がテスト・ドライバーだからだ」とのこと。ゲロルシュタイナーではキャプテンとして活躍したレースもあった彼、最近は怪我や病気で泣かされましたが、実力は立派にあるのですよぅ、ちょいと可哀想です。
　ところで、クイックステップのパトリック・シンケヴィッツは、来年からT-モバイルと3年契約を結んだとのこと。

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