ヤン・ウルリッヒ特集です

Ullrich auf dem Weg zum Tour-Sieg 2005
2005年1月前半

1月後半のウルリッヒ君へ

【2005.01.14　本日のウルリッヒ】
　仲良しT-モバイルのマヨルカ・キャンプ、それでも火花は散っているようで、アンドレアス・クレーデンは語っています。「ヤンが96年や97年のような状態だったら、ツールじゃもちろん僕はアシストだ。できたら、チームが強くて最初の山岳であまり足を使わなくてすめばいいと思うよ。その後どうなるかは、その結果しだいだろうね。エリック・ツァベルをはずしてツール優勝狙いのチームを作るべきだって言ったのは、僕の考えだったからさ。でももちろん、ツァベルの功績は評価してる」。そしてエリック・ツァベルは、「出場選手を決めるのは監督であって、民主主義投票じゃないんだからな。だけど俺が出ないとなると、ツール優勝っていうプレッシャーがますますキャプテンにかかってくるだろうね」とのこと。
　昨シーズン、ツール2位に終わったのにメディアからまったく注目されなかったと不満を言っていたクレーデン、その件に関してウルリッヒは「うん、その件に関しては話し合ったんだ。僕も、彼がもっと注目されてもよかったのにと思うよ。残念なことに、ヤン・ウルリッヒってやつが同時代にいるんだ。そいつがうまくやらなかったら猛批判を受け、他のレーサーはあんまり注意を払われなくなっちゃう。だけど僕たちは友だちだし、彼は僕にまったく恨みを抱いてないよ」ってな感じ。

【2005.01.13　本日のウルリッヒ】
　ウルリッヒのHPに掲載されているインタビューでは、「去年に較べて調子はいいよ。去年マヨルカ入りをした時は、病気だったからね。南アフリカでは病気で出遅れたけど、取り返すために一所懸命練習したさ。マヨルカではアンドレアス・クレーデン、オスカル・セビーリャなんかと一緒に、ツール・スペシャリスト・グループでトレーニングしてる。速く走る必要はないんだからね。ヴィノクロフは積極的で、時々速いグループで走ってるよ。ランス・アームストロングは、ツールに出ると思ってる。みんなが彼を倒したいと思ってるさ」ってな感じ。メディアのインタビューをまとめると、「南アフリカは暖かくて乾燥していて、インフルエンザにもいい影響を及ぼして、トレーニングが上手くいったよ。2500kmは走ったから、マヨルカでもその調子を維持したい。健康を保つために努力してるんだ。みんなは顔が丸いって言うけど、う〜んと近くに寄って下から写真を撮ってるんじゃないか（そうなのか？！）。僕自身が調子がいいってわかってるんだから、問題はないよ。僕はしょっちゅう風邪をひいちゃうけど、できるだけ暖かい格好をして、病気の家族には近づかないように注意する。2004年のツールじゃ、娘の風邪がうつっちゃったからね。でも、用心していても病気になるから、もうそれが僕の一部だと思ってやっていくより仕方がないよ。ピークは夏のツールとドイツ選手権に合わせる。ランスはツールに出ると思ってるし、彼を倒すのがみんなの目標だ。でも、出なかったとしても僕の準備に変わりはないし、ツールの勝利は大きいさ。僕はベスト・チームのキャプテンだって自覚してるし、その責任を感じてる」ってな感じ。
　たとえランス・アームストロングが出ても春のクラシックには出ないとか。病気をしなければ、5月1日のRund um den Henninger Turmから本格的にツアー参戦のようです。もっとも、前コーチのペーター・ベッカーは、ツールに向けてのその準備は間違いだと批判しているようですが……。ウルリッヒに言わせると、「2003年は4月まで走れなかったから、ツールに向けて準備がしっかりできたんだ。去年は春に走りすぎて、かえって失敗した」とのことです。「2005年がツール勝利の最後のチャンスというわけではないけれど、年齢を考えると可能性がだんだんなくなってきているのがわかる。8年前のようにトレーニングできたら、そりゃ、ツールには勝てるだろうさ。でも、以前は3週間でトップフォームに持っていけたけど、今は3ヶ月かかるんだ」とは、31歳になったウルリッヒの言葉。
　アンドレアス・クレーデンは、「今年はヤン、ヴィノクロフ、僕と、3人ツールの表彰台に登れる選手がいる。誰が一番相応しいか、最初の山岳ステージでわかるさ」とライバル意識を燃やしているもよう。もっとも、チーム方針は、「キャプテンはヤン」です。

【2005.01.12　本日のウルリッヒ】
　ウルリッヒはマヨルカでトレーニング中。気温は14度ほどで曇りが続いているようです。チームは3つに分けてトレーニング、エリック・ツァベルやステファン・ヴェズマンを含むクラッシクハンター・グループ、ウルリッヒやクレーデンなどのツール・スペシャリスト、その他若手のグループのようですが、まだまだプレスのインタビューなどが続くようで、忙しいウルリッヒです。なお、チームが走ったキロ数に応じて、T-モバイルはお金を積み立ててアジアの津波被害者に寄付をするとか。メディアも寄付に協力するようです。ウルリッヒも、シューマッハほどすごいことは無理だけれど、個人的に寄付したよとのこと。「僕はもう31で、残された時間は多くはない。あと2年の契約があるけれど、ツール勝利に全力を尽くしたい。南アフリカでのトレーニングは、風邪で出遅れたけど、十分練習した。それを継続していきたい」とはウルリッヒの言葉。いつも通り（？）オーバーウエイトで丸い顔とドイツ・メディアは騒いでいますが、元気なようです。「1月、2月は、病気に気をつけなきゃだめなんだ。ツールの後71キロまで落ちて、病気をした。オフに6キロほど増えるのは普通のことで、ツールまでには戻すさ」と語ったようです。
　チーム・マネージャーのウォルター・ゴッデフロートは今年限りで引退ですが、最高の時としてオラフ・ルドヴィッヒのツール初勝利、ビャルン・リースのツール優勝、エリック・ツァベルの数々のツール勝利、そしてもちろん、ヤンの優勝を上げています。今年はボテーロ、エバンス、サボルデッリがいなくなったけれど、代わりにセビーリャなどの補強もでき、チームは今までと変わらず強い状態だとか。ヤン・ウルリッヒ、ヴィノクロフ、クレーデンとツール優勝を狙える3選手がいても、強いのはヤンであり、他の選手もヤンの状態さえ良ければアシストすることは厭わないだろうとのこと。ランス・アームストロングは完璧なプロフェッショナルだから、色々な状況を考慮しツール出場を考えるに違いない、彼がいようがいまいが、ツールの勝利は価値がある、と語ったようです。なお残念だったのは95年のツールにノミネートされなかったことで、2002年のウルリッヒ問題は、馬鹿な若者がしでかしたことでわしゃ乗り切ったし、ルディ・ペヴナージュ問題も散々言い尽くしたわい、ってな感じのもよう。ヤンのツール勝利で、勇退に花を添えてほしいですね。


マヨルカでのヤン
ううむ、ほんとに
5、6キロ増なだけ？
 【2005.01.10　本日のウルリッヒ】
ウルリッヒは土曜日からマヨルカで行われるT-モバイルのキャンプに参加しました。日曜日夜にはドイツのTV・ARDのスポーツショーで、インタビューを受けたもよう。「キャンプはいい雰囲気だよ。いつも体重のことを聞かれるけど、同じだよぅ。冬の間に5〜6キロは増えるけど、それが普通さ。ツールまでに戻したら問題はないよぅ。去年はツール＆オリンピックと、上手くいかなかったのは残念だった。今年は用心して、病気にかかりやすい春の時期には無理をしてトレーニングしないことにしたよ。病気になったら、元も子もないからね。アームストロングがツールを走らないって言ってるのは、信じてないよ。タイトル防衛を考えてるに違いない。もしそんな気がなかったら、ツール記録を打ち立てたんだから、引退するはずさ。ツール直前に出るって言っても、驚かないね。彼がツールに出るのは、ツールのためにも、僕のためにもいいことさ。彼を倒すっていうのは、モティベイションになってる。彼がいなくても、ツールの勝利は価値のあることだけど、彼がいたらもっと価値が大きい。去年のツールは、アンドレアス・クレーデンが僕よりも状態が良かったから、彼をサポートした。それがチームのためになった。一番の選手がサポートされるべきだからね。でも、今年はツール勝利のためにしっかりと準備するさ」ってな感じ。「18度の暖かい気候で、調子は良さそうだよ」とは、監督のマリオ・クンマーの言葉。キャンプは23日までのようです。


ヤンとベッカー氏
 【2005.01.08　本日のウルリッヒ】
ウルリッヒのコーチのペーター・ベッカーが語っています。適当に意訳してまとめると、こんな感じ？
「彼を12歳くらいから知ってるよ。14歳でユース・スクールに来てトレーニングした。子供の頃は身体の弱い子だったよ。でも才能はあったし、持久力もあった。遅咲きで19歳で花開いたんだ。ディスコやアルコール、女の子に溺れるになることもなく、一所懸命トレーニングした。彼の目標はオリンピック・チャンピオンで、オラフ・ルドヴィッヒを理想としていたな。今は、ペヴナージュ氏が言っているように、ヤンは自由なトレーニングを求め、あるがままの自分でいたがってる。だが私は賛成しないね。ヤンは引き上げてくれる誰かが必要だ。彼は今、肉体的にも最良の年齢なんだ。ツールの優勝は可能だ。いつもうまく準備できないのは、11月から2月のトレーニングに問題があると思う。T-モバイルはいつも1月初めにマヨルカ・トレーニングをする。それに上手く間に合わせられなくて、3月になってから本格的なトレーニングをすることしばしばだ。ツールはクライマックスだが、私はヤンは4月のパリ-ルーベにさえ勝てると思ってる。春のレースに出てツールに勝つことは可能なんだ。そして5月と6月にツール準備のレースに出る。そうすればツールではトップの状態になっているだろう。T-モバイルは、ヤンにはぴったりなチームだと思ってるよ。ヤンに必要な友人たちがいるからね。ただ、この数年、間違いを犯しているのも事実だ。強い指導者が必要だと思う」つまりは、放っておいたらヤンはさぼるから、びしびし指導しろってこと？

【2005.01.07　本日のウルリッヒ】
セイシェルでバカンスを過ごしたウルリッヒですから、東南アジアの津波による被害には心を痛めているようです。土曜日からは、2週間のマヨルカ・チーム・キャンプに旅立ちます。ツールに向けてしっかり準備するよ、とのことです。

【2005.01.06　本日のウルリッヒ】
　山でウルリッヒのアシストが期待されているオスカル・セビーリャ、T-モバイルのページで語っています。「ララと一緒に、毎日200Kmは練習してたから、土曜日からのマヨルカ・キャンプにはベストで臨めるよ。今年からチームに参加するけど、2001年にもウルリッヒと一緒にやらないかって話が来たんだ。でも、ケルメが離してくれなかったんだ。僕たちはスペインで練習したんだけど、夜は雪が降るくらい寒くなる時があるけど、日中は10度から20度のあいだで、練習には最適だった。山ではウルリッヒをアシストして、彼の2度目のツール勝利に貢献したい。僕もララもツールに出たいけれど、それは別にしてベストのチームに移籍できたと思ってるから、頑張るよ」とのことです。

【2005.01.01　本日のウルリッヒ】
　今年こそツール優勝の年となるはずのヤン・ウルリッヒ、新年は家族とともに静かに迎えたようです。今年の目標は、ドイツのメディアによると、ツールの勝利と、結婚はするつもりはないけれど（！）子供をもう一人作ることだとか？？？　今年は期待しましょう！　もちろん、ツール勝利の方をですよぅ。Ullrich auf dem Weg zum Tour-Sieg 2006とはなりませんように……。いやまあ、2年連続の優勝になればよいわけですが。

　

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